キス のアーカイブ

Sky without Cloud

超短編集 タグと , , への macoto による投稿 (2010/01/02)

空は雲ひとつなく晴れ渡っていた。
どこへでも行けそうな、そんな空がどこまでも
広がっていた。

澄み渡った空気が肺を占領しては
清々しい気持ちにさせてくれる。

そんな時
ふと、空を見ながら思うことがある。

この空を、あの人も見ているのだろうかと。
ただ、思うだけ。
ただ、青いだけ。

届きもしないことは分かっている。
思ったことが「罪」でも「罰」でもない。
頭上に広がった空が
ただ、思いを呼び起しただけのこと。

胸のポケットから煙草を取り出した。
火を点けてみる。

…少し笑った。
そして、すぐに切なくなった。

キスの味がした。
そんなハズはないのに。
だから、すぐに切なくなった。

あの人と交わしたキスの味がした。
微笑の後に、切ない空気が肺を占領した。
吐き出したら、その味は消えていった。

また、笑った。
今度は、長く。

空は雲ひとつなく晴れ渡っていて
青いキャンバスに白い絵の具で絵を描き始める前に
あの人の笑顔を思い出した。

飛行機雲の様にいつしか消えてしまって
その記憶さえ、思い出せなくなってしまうけど
雲ひとつない空を暫く、眺めていた。

雲ひとつない空を。

Sunlight

超短編集 タグと , , , への macoto による投稿 (2009/08/14)

終りの見えている夏の恋は
誰のことを傷つけることもせずに

同じカーテンを開けて
そんな関係だったと
冷めた珈琲を口に含んだ時に感じる
後味の悪さの様だった。

「それじゃ、さようなら」
エレベーターを降りたら
もう、そこからは他人
もう、そこからは別世界

右に折れれば
意味もなく
左に折れる。

夏の日差しがやけに眩しく
目を逸らした。

どうせなら
カーテンを開ける前に
もう一度、キスを味わって置けば良かった
と、信号待ち、太陽の照りつける横断歩道を
見ながらそう、思ってみた。

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